スイス製カップリング導入物語 導入期編

第一回でご紹介した米本氏の「エアーツール導入物語」。その際、導入の鍵となったのはオエィカ社のスウィングカップリングという商品でした。今回はその商品を見つけ、米本氏が導入に至るきっかけを作った大河内氏にスポットを当て、スウィングカップリング導入期の話、またどのようにして後輩へ仕事を継承していくのかについてお話を伺いました。

商品名:オエティカ社 スウィングカップリング

目 的:ラインの末端までロスなくエアーを確保する

期 間:約半年

導入先:大手自動車生産ライン

効 果:エアールーツの機能を最大限に発揮させることによる省エネ化

関連ページ : オエティカ社 スウィングカップリング
http://www.haneda-shokai.co.jp/seihin/category05/swingcoupling/main/index.html

豊田営業部
大河内 忠勝

1977年入社。東京営業部で減速機を担当後、豊田営業部へ転勤。 1993年にはアトラスを担当。現在は車載の減速機を担当する一方、 新商品開拓チームのリーダーとして活躍。

インタビュー

佐藤:じゃあ、よろしくお願いします。

大河内:お願いします。

佐藤:今日は、大河内さんにオエティカの話をしてもらいたいんですが。
前回、米本君に「ある自動車メーカーさんの組み立てラインで"エアーツールの交換で工数低減ができる"という提案をし、実際成果が出た」という話をしてもらいました。その時に大河内さんから引き継いだお客さんだと聞いたので...
オエティカというカプラーを導入した経緯はどんな感じだったのですか?

エアーツールの能力を最大限に発揮させるためには

大河内:その当時、私はアトラスコプコのエアーツールを担当していました。アトラスのエアツールは性能はいいんですが、他のツールメーカーよりも使用流量とゆうか【エアー】の消費量が多いので、ある程度流量を確保して、性能を100%発揮して使ってみたいと思っていました。自動車メーカーさんの生産ラインでは、同じ場所でたくさんのエアーを使っているため、どうしても条件が悪く、その条件下でアトラスのツールを使っても100%性能を発揮できていませんでした。元々のエアーでは10キロとか8キロとか、きちっとした流量が確保されているにもかかわらず、どうして末端までくると流量が確保できなくなってしまうのか。このような問題に対して、きちっとした流量が確保ができるカプラーがあれば、これは商売になるなと感じていました。

佐藤:エアーツールっていうのは、基本的に流量と圧力と二つ必要ですよね?アトラスのエアツールは圧力の確保はできているけど流量の確保ができていない。そういう問題があったということですね。

大河内:見た目ではゲージを繋ぐと、8キロなら8キロと表示するんですが、実際にエアーツールを動かしてエアーが消費されると、圧力が8キロから6キロ・5キロ…とみるみるうちに下がってしまう、というケースがありました。8キロに対しては、7キロぐらいの流量が確保されていれば下がってもその程度なんですが、実際条件が悪いともっと下がってしまいます。そうすると、アトラスのセールスポイントである“シャットオフしてトルクを一定に締付ける”という機能は十分に発揮されないんです。ということで、流量を充分に確保できる条件のカプラーがあれば、お客様に喜んでいただけるんじゃないかと思っていました。

佐藤:つまり、工場の配管というのは8キロとか10キロくらいの圧力はあって、その圧力は自動車の生産ラインのすぐ側まできているんだけど、そこからホースで繋いで、途中でカプラーが何個も何個も介在してくると、そこで圧損してしまい、実際末端では相当条件が悪くなってしまうんですよね。

大河内:確かに見た目は源圧と同じくらいあるんだけど、実際にツールを繋いで使用してみると、圧力がみるみるうちに下がってしまう。

佐藤:それでは流量がしっかり確保できない。見た目には圧力があるんだけど、実際は圧力も落ちてしまい、流量も小さくなってしまう。そうなるとエアーツール本来の能力が発揮できないという訳ですね。それに我々が売っている『アトラスコプコ』は国産に比べると特に圧力とか流量が高いものを要求していますからね。

大河内:流量は確かに多く必要ですが、それなりの高トルクで締付けられます。

佐藤:そのツールは適正な圧力がくると、どうなるんですか?

大河内:カタログ値にあるトルクを保証できたり、締付け時間もお客様が要求される短い時間でシャットオフすることができます。

佐藤:そのシャットオフっていうのをもうちょっと説明してください。

大河内:色々なやり方があるんですけど、設定されたトルクに達した時に自動的にエアーを止めてシャットオフ、つまり"止まる機能"のことです。アトラスのセールスポイントの一つですね。流量が確保できないとシャットオフできないということは、締付け時間が長くなってしまい、お客様のタップタイムに十分間に合わなくなってしまう。

佐藤:つまり、「一定のトルクになりました」ということでシャットオフをして、エアーをカットしてツールを止める。そうしないとラインの次の行程にモノが進んで行かないということですね?

大河内:逆に車が行きっぱなしでラインが止まらないと・・・

佐藤:規定トルクに達していないということです。それでは困るので、圧力・流量を確保できるようにしたい。では、それまでの既存の自動車メーカ−さんのラインは、どの様な状態だったんですか?

大河内:【タイマーレンチ】という古いツールがありました。一定の決められた時間で止めることによって、一定のトルクの範囲内に締付けるというツールです。そうすると、エアー条件が変わった時にこの条件はバラついてしまう訳ですよね。ですから、例えば50ニュートンで締めたいという場合に、エアー条件が一定であれば3秒なら3秒で締まるんですが、条件が変わってしまうと、その3秒を延ばしたり、逆に短くしたりと調整が必要になってくる。

佐藤:アトラスはトルクでちゃんと締めようという訳ですね。

大河内:アトラスはエアー条件が変わっても自動的に締付けています。シャットオフする時間を自分で調整しているので、条件が悪いと締付け時間が長くなってしまう、ということになる訳ですよ。

佐藤:規定の圧力がくれば、例えば3秒なら3秒でシャットオフして規定のトルクに達している。規定のトルクに達しているからシャットオフして「OK」となるはずが、圧力が低いと3秒が4秒5秒となってしまう、ということだね。